Yahooの1on1を実践してみた感想など(2)
さて、続きです。
ちなみに導入&結論は前のエントリにまとめてるので、結論だけ見たい方は前のエントリを参照くださいまし
Yahooの1on1を実践してみた感想など(1) - アラフォー課長のトラブルな日々
ちなみに私のかで実践した1on1は3月末退職予定の方を除く全部下、ということで総勢18名です。
全員に30分の枠を設けて話してみました。要はこれだけで9時間消費してます。
あとは当たり前ですが、やる以上はメモを取るし、キーワードみたいなものをまとめるし、後日忘れないようにレポートを作るし、私も上司である部長からの1on1を受ける身でもあるので、そこのテーマにこの施策状況を話しておきたいし、ということで、各種レポートやら準備やらで大体3時間は使いました。
あとは部長との面談がなぜか1時間。
ということは、この施策全体で13時間を使ってます。
月20日、8時間労働とした場合、全体の8%はこの施策に費やしていることになります。
『たったの8%?大したこと無いじゃん?』と思った方は約1.7日、ひたすらに人の話を聴き、傾聴姿勢を示す意味でも本人の目の前でメモを取り、レポートにまとめていると読み替えてください。
何が書きたいかというと、すんごく大変なんです。
やるとなったら腹をくくる必要があるということが結構大事なステップです。
ちなみに実践しているYahooさんの人事の方がこの1on1の効果について語られていますが正直ふわっとしていてよくわかりません。
1on1とは? ヤフーが導入した上司・部下の個人面談、目的、効果について【導入方法、導入事例】 - カオナビ人事用語集
もっと書いてしまうと、いきなり中長期のキャリアについて!なんて聞くことが出来るのは平均年齢50代の方達にはハードルが高すぎです。
なので私はポイントを絞って
・管理職と部下とのコミュニケーション強化
・モチベーションの向上
という2点に絞ってはじめました。
やってみて、自らを振り返る期間を増やして、自分が何をすべきか、何が出来るかという話まで進んで話せる人が出てきたら、キャリアの話をという作戦です。
なのでコミュニケーション強化という観点で、テーマは自由としてます。
そして一通りやりつつ、次回のポイントのヒントも貰いたかったので無記名式のアンケートにも協力して貰いました。初回だからか、100%回答だったのは素直に嬉しい。
全体的な感想としては
【肯定派】40%
【否定派】60%
という感じでした。2:8くらいかなと思ってたので、想像よりも肯定派が多かったけど
ここは油断できません、フリーコメントもいくつかありましたが、手放しでの大絶賛コメントもポジティブコメントは参考程度に読むことを肝に命じてます。
考えてみてください。ボーナスや給与の査定をする人が送っているアンケートです。本心を書くわけないじゃ無いですか。むしろ4割は本心じゃ無いと思うくらいはちょうどいいです。
否定派のコメントには結構ヒントがあると思います。細々ありましたが、抜粋してまとめると大きく3点
・この時間は仕事に取り組みたいです、やる意味あるの?
・テーマは自由、と言われましても何話していいかわからないよ。
・そもそも不要(そして心を閉ざす)
という部分に集約されます。
これは私の3ヶ月間の事前周知を聴いてないか、耳を閉じてスルーしてたという可能性もあるし、必須で受けてもらった研修を忘れてしまったかもしれない。研修の導入にこの面談の意義!みたいなのがあったけど忘れちゃったかも。
という要素もあるんですが、人間、自分に都合が悪いこと、耳の痛いことはスルーしがちですよね、私がそうなので。
となると、結構2点目の何を話していいかわからないというところが発端になって、スルー思考になっている気がしてならないのです。
さて、そうなったらどうするか、なのですが、対策としてパッと浮かぶ
・面談の意義を説明する
・なんなら研修をもう1回受けてもらう
というのは除外しました。
これ一見対症療法的対策ですが、逆効果です。
自分の利益にならない(=手間と時間をかけられる)ということに対して人は防御反応が出ます、私がそうですから(笑)
なので、ここは根気よく続けて、どんな話でも聴いてくれるんだよというポーズを出し続けることと、後はどうしても話が出ないという人へのテーマを用意しておくあたりが対策です。
ここは完全にこの本からの受け売りですが
ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法
- 作者: 本間浩輔
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【最近、うまくいった話を教えてください】
ということで前向きになるテーマを浮かべてもらうことにしようと思いました。
という事で、また続きは次のエントリーにて。
Yahooの1on1を実践してみた感想など(1)
Yahooの1on1(上司と部下のタイマン形式面談)に感化された偉い人が、じゃあウチでもやろう!という事で始めてみました。という話。
先に結論を書く。
Yahooに勤めるくらいの頭の良さが元々ないと大惨事が起こる。
これは乱暴すぎるので、もう少し言葉肉をつけるのであれば
日頃から考える癖がある人じゃないとかなり厳しい。
これをもっと雑に書くならば。
働かないおじさんにこれをやると、飲み屋の2時間飲み放題コース、ラストオーダー前くらいの会話と大差ない。
という事になりかねないです。
昔のことはわからないから想像だが、滅私奉公、24時間戦い続けるが良しとされた時代には、多分
考える人と、手を動かす人というのがセットだったのかな。
で、その後のバブル崩壊で、考える方が得意な人は考えた結果外に出るなり出世コースに乗るなりで考えた行動を起こし、手を動かすことが得意な人は手を動かし続けたのかもしれない。
そんな時期に入った新卒の社員は、手を動かす人たちに薫陶を受けたのかな。
考えるな、手を動かせ。
と言われていたのかどうかわからないが、それから30年、自分の考えを語るという機会はあまりなかったのかもしれない。
とまあ、ここまでは想像。
今は上意を待ってる暇はない。
誰も正解は知らない。
競争相手は国内だけじゃない、世界中だ。
という現実から遠ざかってひたすら作業に打ち込んで、作業の不満を漏らす、という場面が結構見受けられたので、会社としての1on1は渡りに船の施策でした。
今までの1on1とは全く違うのは
・評価面談ではないこと、テーマは部下が決める
・上司のためではなく、部下のための時間として使う
・部下は内省と振り返りから答えを探し、上司はそのアドバイスを慎重に行って、自ら答えを探すようになる
という事で、特に3点目をどう引き出すか、出せるかがポイントな訳です。
という事で早速実践です。
ただ、私も鬼じゃない。
いくつかルールを決めて話しました。
1)
3ヶ月前から、1on1をやるよーやるよーと事前の周知を毎週実施
2)
2ヶ月前に、この1on1施策の研修があったので、全員に受講してもらう。
3)
1ヶ月前に予定を入れる
という事で、自分なりには万全の準備のつもりだったわけですよ。
という事で、惨劇の詳細はまた別のエントリーで(笑)
再開の前に、年上の部下に悩む方達へ
気がつけば、1年以上も放置してました。
この間、我が社も、私にも時間の流れがありまして、私は今、別の部の課長になってます。
前回のエントリの後、体制の再編成と言う名の意味不明の降格やら、再編成大失敗による謎の復権やら、部下の失踪騒ぎやら、本当に色々ありました。
これらは機会があれば書いていきます。
数あるブログの中から、このブログを見つけて、このエントリを読まれている方で、かつての先輩、上司を部下として成果を上げねばならないリーダー、課長、部長、マネージャー、他様々な呼称もあるでしょうが管理職のみなさん。
貴方が悩み、苦しんであることは絶対に誰かが見ています。
誰かへのアピールなんてしなくて大丈夫。
目の前の仕事に誠実に向き合えば追い風がやってきます、きっと。
既に頑張り続けている皆さんに頑張れなんて言う人は相手にしないで、同じ悩みを持つ人を1人でも多く見つけて、たくさんコミュニケーションを取って、共感して、愚痴って、そして職場は今の役職を自分の思うように演じてください。
そして一旦仕事を離れた退社後、そして休日は仕事以外のことに沢山エネルギーを使ってください。
今の私はそうやって日々を過ごしています。
私もまだ管理職のあるべきスタイルの答えが出ていませんが、一緒に答えを探す仲間が見つかるように精進していきます。